あわせ鏡 改定版
作者名: 齋藤 一明
【出だし200文字】
 四角く切り取られた空に浮かんだ千切れ雲が、勢いよく彼方へ飛び退ってしまう。色を失った青空という言い方をすると言葉を知らぬ奴とそしられそうだが、鉛のように淀んだ空は確かに色を失っている。強い日差しを遮るためのガラス越しだから仕方ないとはいえ、赤も青も抑えられて、夕暮れのような色味はやっぱり味気ないと思う。色濃い景色がはっきりと色彩を主張しているのだが、どうにも嘘くさくて嫌いだ。やっぱり色のついてい//
キーワード 震災復興支援 3.11 スマイルジャパン 2016 夢 夢が現実に 夢の果て 大災害 内閣府危機管理室 減災の取り組み 
種別 連載〔全9部分〕
ジャンル 空想科学〔SF〕
文字数 82,773文字
掲載日 2016年 03月 08日 12時 45分
最終投稿日 2016年 09月 18日 16時 15分
Nコード N3349DE
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【あらすじ】
俺の名は松永(まつなが)勘太(かんた)、区役所の地域化に勤めている。俺には仲の良い幼馴染がいて、今年は皆で小旅行に出た。一人は前田琴音(ことね)、俺のパートナーだ。あと二人は遠山源太と、加藤 雅(みやび)で、この二人もパートナーだ。
初日は鹿児島に泊まり、翌日は串木野に泊まった。そして、甑島(こしきじま)でのバカンスが始まった。
一日目の夜のことだ。一日中泳いだ疲れが出て、夕食を終えた俺たちはそれぞれの部屋に引き上げた。とはいってもまだ十分に若い俺たちは、満天の星に見守られながら絡み合った。満足感と倦怠感に包まれて、俺たちは真っ暗な海を眺めていた。激しい地震が襲ったのはその直後だった。揺れの収まるのを待って身支度を整えた俺は、隣の源太の無事を確かめ、身支度を整えるよう言いつけたのだが、琴音の悲鳴で部屋へ戻った。すると、暗黒の海原に白い線が横いっぱいに延びていて、それが俺たちに向かって押し寄せてきた。
ところが、津波が岸を噛もうとした瞬間に異変がおこった。すべての出来事が逆転しているのだ。映像も、行動も、音声さえも。
俺は、そうして二ヶ月という時を遡ったのだ。

一番に味方になってくれたのは琴音だった。そして、俺が予言した事件をきっかけに源太と雅も味方になった。また、その縁で事情を調べに着た木下が味方になり、彼の説得で危機管理室が動き出した。というのも、俺が巨大地震と津波を予言したからだ。発生時刻も、およその震源域もズバリと示していたからだ。そうさせるに足る実績は、夢で見たことが次々に現実となっていることで十分だった。

国の機関に組み込まれた俺たちは、一人でも犠牲者を出さないよう奔走を始める。が、世間は俺たちの声に耳をかそうとしない。ジレンマを感じながらできるだけの措置を講じ、やがて運命の日を目前にする。

夢でみたとおりに物事が進み、そして決定的な場面に遭遇する。
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